イミディエイト ファミリー

イミディエイト ファミリー

ローレル・キャニオン。ハリウッド・ヒルズにあるこの渓谷は、1960年代後半から70年代にかけて、伝説的なミュージシャンたちが集まり、共に暮らし、多くのサウンドを生み出した「ウエストコースト・サウンドの聖地」。
本作は、その歴史の裏側で、多くの名曲の誕生を支えてきたセッション・ミュージュシャンの軌跡と絆を描く音楽ドキュメンタリーである。

監督は、セッション・ミュージシャンの存在を描き高い評価を受けた『ザ・レッキング・クルー』のデニー・テデスコ。本作で追うのは、1970年代に活動していた「ザ・セクション (The Section)」の中心的存在であったリーランド・スクラー、ダニー・コーチマー、ラス・カンケル、ワディ・ワクテルという伝説的な4人のミュージシャンによるスーパーグループである。

彼らは、ジェイムス・テイラー、キャロル・キング、ドン・ヘンリー(イーグルス)、リンダ・ロンシュタットから、クロスビー&ナッシュ、ジャクソン・ブラウン、ウォーレン・ジヴォン、フィル・コリンズ、キース・リチャーズなど数え切れないほどのシンガーソングライターのレコーディングやツアーに参加してきた。そしてその確かな演奏と音楽的な理解力によって、多くの名曲の“音の核”を作り上げ、卓越した演奏力でアーティストたちの表現を音で支え続けてきたのだ。

トークゲスト登壇イベント

■6月19日(金) 19:15〜/19:45上映スタート(予定)
会場: 東京・エビスガーデンシネマ
登壇者:KEIKO WALKER(Country Singer)、白井栄一郎(ミュージシャン、音楽ライター),前むつみ(翻訳家、音楽ライター)

■6月20日(土) 12:00〜/12:30上映スタート(予定)
会場:東京・ TOHOシネマズシャンテ
登壇者:川原伸司(レコード・プロデューサー、作曲家)、杉真理(ミュージシャン)

■6月26日(金) 20:30〜(18時30分の上映回終了後)
会場:東京・ TOHOシネマズシャンテ
登壇者:ジョージ・カックル(ラジオDJ、プロデューサー)、朝日順子(翻訳家、音楽ライター)

※登壇イベントご観覧は各上映チケットを購入されて入場ください。

6/15茅ヶ崎FM 89.2MHz「エボラジ5アップ」で大特集!

6/15茅ヶ崎FM 89.2MHz「エボラジ5アップ」(17:00〜19:00) で映画紹介と映画に登場する曲を大特集いたします。
茅ヶ崎FM https://www.chigasaki-fm.com/

コメントが寄せられました

その個性と情熱溢れるプレイにハートを打ち抜かれたアーティストたちが、「お願い、オレんとこでも弾いて!」となるわけです。天晴れなセッションマンたち。カッコいい!そんな彼らが大切にする”絆”は今も続いているんですね。J.テイラーやC.キングが彼らに出会えて本当に良かった!信頼し合う笑顔をこの映画がいくつも見せてくれます。
シンガーソングライター/ギタリスト 斎藤誠

映画『Immediate Family』は、70〜80年代のアメリカ西海岸音楽を陰で支えた名プレイヤーたちの人生と友情を描いた傑作ドキュメンタリーです。本作は、J.テイラーやS.ニックスらの名曲誕生の舞台裏に迫り、「あのイントロやフレーズはこうして生まれたのか」というジグソーパズルが繋がるような快感と感動を与えてくれます。何より胸を打つのは、彼らが技術自慢に走らず、一貫して「歌をどう支えるか」を最優先にしている点です。この姿勢はカントリー等を演奏する自身にも深く共感でき、良い演奏の本質を考えさせられます。彼らは単なるスタジオ・ミュージシャンの枠を超え、レコーディングからツアーまでを共にした本物の“バンド”でした。だからこそ奇跡的なサウンドが生まれたのだと長年のファンとして腑に落ちるのです。出会うべくして出会った仲間たちの絆がじんわりと伝わる、温かさに満ちた感動的な作品です。
Country Singer KEIKO WALKER

1960年代後半、ロサンゼルスに現れたエリート・セッション・ミュージシャンたちは、後に「Immediate Family」と呼ばれた。ダニー・コーチマー、ラス・カンケル、スティーヴ・ポステル、リーランド・スカラーは、1970年代のウェストコースト・ロック黄金時代を築き、ジェームス・テイラー、キャロル・キング、ジャクソン・ブラウンらの名盤を支えたカリフォルニア・サウンドの設計者である。 当時はレコードに彼らの名前がクレジットされ、リスナーにとって教科書のような存在となった。彼らは単なるスタジオ・ミュージシャンに留まらず、アーティストのツアーにも同行し、時には主役級の扱いを受けるスターとなった。 彼らは今なお第一線で活躍しながら、「Immediate Family」として共に演奏を続けている。あの時代の名曲をハイウェイとするならば、彼らこそがその車輪を回し続けていた存在であり、今もなお独特なウェストコースト・サウンドを鳴らし続けている。
George Cockle

ロサンゼルスの名うてスタジオ・ミュージシャン達のドキュメンタリーだ。彼らの名前を知らなくとも、音楽ファンであれば必ずどこかでその演奏を耳にしているはずだ。シンガー・ソングライターがブームとなり、自ら曲を書かないシンガーもまた商業主義に踊らされず自然体、等身大の音楽を聴かせるようになった1970年代、彼らは新しいスタジオ・ミュージシャンのあり方を示した。アレンジャーが書いた譜面をなぞるのではなく、主役に寄り添うようにバックアップをおこなった。そして、そこから数々のヒット作品が生まれ、彼らも売れっ子となっていく。この映画はそんなストーリーを本人達はもちろん、関係者のインタビューを交えながら紹介していく。そこにはコンピューターやデジタル機器に依存する現代に失われてしまった、心が通じ合った人間が作り出す音楽の妙がある。音楽ファンはもちろん、音楽制作に関わる関係者こそ観るべき映画だろう。
ミュージシャン、音楽ライター 白井英一郎

エルヴィス・プレスリーの時代のロックはソロ歌手の名義で発表され、演奏者は舞台裏の存在だった。ビートルズの登場以降、バンドのメンバー名が浸透しはじめたが、ソロ歌手の演奏者は黒子であり続けた。
ジェイムス・テイラー、キャロル・キング、CS&N、リンダ・ロンシュタット、ウォーレン・ジヴォン、ジャクソン・ブラウン、ニール・ヤング、キース・リチャーズ、フィル・コリンズ、ドン・ヘンリーらの演奏を支えたイミディエイト・ファミリーのメンバーはちがっていた
彼らが活躍しはじめたのは、音楽の作り方がヒット曲の量産ではなく、よりインディペンデントに向かい、より自由度を増した時期で、ミュージシャンにも、職人技だけでなく、曲を生かせる創造性が求められた。彼らはその要請に定石にとどまらない演奏で応え、音楽作りのパラダイムを変え、時代を超えた。
この映画はそんなミュージシャンたちの姿を見事に浮かび上がらせている。
北中正和(音楽評論家)

針を落とした瞬間にそれと分かる、心地よいアコースティックの響きや、気怠くも骨太なギターリフ。ジェームス・テイラーやキャロル・キング、ジャクソン・ブラウンらの歴史的名盤を、文字通り「肉体化」していたのはフロントマンの背後にいた彼らだった。
彼らが放つ、洗練されていながらも人間味に溢れた「極上のグルーヴ」は、海を越えたここ日本にも信じられないほど深い足跡を残している。1970 年代当時、日本のポップスの黎明期を支えたティン・パン・アレーや大滝詠一らは、彼らのレコードを文字通り擦り切れるほど聴き、そのアンサンブルを研究し尽くした。今や世界の好事家たちに愛されるようになった「日本のシティ・ポップ」の洗練されたサウンドのDNAを遡ると、確実に彼らが紡いできた音へと行き着くのだ。本作は、洋楽ファンだけでなく、日本のポップスの源流を知りたい音楽ファンにとっても必見の、ミッシングリンク(失われた環)の証明なのである。
川原伸司(レコード・プロデューサー、作曲家)


本作には、時代を超えて愛される名曲の数々が散りばめられている。しかし、その音楽を陰で支えてきたセッション・ミュージシャンたちについて、私たちは果たしてどれほど深く理解してきただろうか。スターの背後で歴史の陰に埋もれがちであった“無名の功労者”たちに光を当て、その功績を丁寧に描き出した本作最大の魅力は、彼らに向けられた深い敬意と愛情に満ちた眼差しにある。1970年代のアメリカ西海岸では、ジョニ・ミッチェル、ジェームス・テイラー、キャロル・キングらがシンガー・ソングライター文化を築き上げた。その輝きは、彼ら自身の才能だけでなく、“イミディエイト・ファミリー”と呼ばれた四人の卓越したセッション・ミュージシャンたちとの信頼関係と共創によって支えられていたことが鮮やかに伝わってくる。
音楽とは個人の表現であると同時に、人との呼応によって完成する芸術である――本作はその本質を静かに語りかける。鑑賞後には温かな余韻が残り、往年の音楽ファンは勿論、若い世代や音楽を志す人にも深く響く作品となっている。
田中章(元ソニー・ミュージック・エンタテインメント)


「未来へのプレイリスト」でもし「LA70年代舞台裏篇」を特番の形で作れば、こんな内容になるかも知れません。それにしても曲数の多いプレイリストです!
ピーター・バラカン


2023年にアメリカで公開された『イミディエイト ファミリー』がようやく日本で公開になる!
これは誰もが耳にしたことのある名曲、名盤に必ずメンバーの誰かは参加していると言っても過言ではないイミディエイト ファミリーのドキュメンタリーで、彼ら自身がレコーディングのいきさつや裏話を語っている。「なるほど!」「へーそうだったのか!という話が山ほど出てきてとても楽しいし、全編に流れる曲を聴いていると青春の日々が蘇ってくる。
監督は『レッキング・クルー』のデニー・テデスコ。イミディエイト ファミリーのメンバーよりひと世代前の西海岸のセッション・ミュージシャン集団、レッキング・クルーのメンバートミー・テデスコの息子さんだ。レッキング・クルーにはレオン・ラッセルやハル・ブレイン、グレン・キャンベルなどがいたが、彼らがバックを務めたビーチ・ボーイズやサイモン&ガーファンクルなどのレコードに名前が載ることはなかった。それが当時の常識だったのかもしれないが、プロデューサーのピーター・アッシャーのおかげでイミディエイト ファミリーのメンバーの名前がクレジットされたことで彼らの名前が広く知られることになったと言う話も興味深い。  
翻訳家 前むつみ
                                                                                                                                   

①リッチ・ガール Rich Girl(1977)/ダリル・ホール&ジョン・オーツ   
②カントリー・ロード  Country Road (1970) /ジェイムス・テイラー
③イッツ・トゥー・レイト(心の炎も消え) It’s Too Late (1971) /キャロル・キング 
④カリフォルニア California (1971) /ジョニ・ミッチェル
⑤ホール・クロス Whole Cloth (1972)/ グラハム・ナッシュ=デイヴィッド・クロスビー
⑥ブルー・バイユー Blue Bayou (1977) /リンダ・ロンシュタット
⑦孤独なランナー Running on Empty (1977) /ジャクソン・ブラウン
⑧ダーティ・ランドリー Dirty Laundry (1982)/ドン・ヘンリー
⑨ウェイト・オブ・ザ・ワールド  Weight of the World (1986) /ニール・ヤング
⑩エッジ・オブ・セブンティーン Edge of Seventeen (1981)/スティーヴィー・ニックス
⑪オー・シェリー Oh Sherrie (1984) /スティーヴ・ペリー
⑫テイク・イット・ソー・ハード Take It So Hard (1988) /キース・リチャーズ&ザ・エクスペンシヴ・ワイノーズ
⑬ドント・ルーズ・マイ・ナンバー Don’t Lose My Number(1985)/フィル・コリンズ
⑭きみの友だち You’ve Got a Friend (1971)/ キャロル・キング&ジェームス・テイラー(トルバドール・りユニオンツアー/2010より)
⑮テイク・ミー・ホーム Take Me Home (1985)/フィル・コリンズ
他、ヒット曲満載!

ザ・イミディエイト・ファミリー(リーランド・スクラー、ダニー・コーチマー、スティーヴ・ポステル、ラス・カンケル、ワディ・ワクテル)、フィル・コリンズ、ニール・ヤング、リンダ・ロンシュタット、ライル・ラヴェット、キース・リチャーズ、キャロル・キング、ジェイムス・テイラー、ルー・アドラー、ドン・ヘンリー、マイク・ポスト、ジャクソン・ブラウン、ピーター・アッシャー、スティーヴ・ジョーダン

■監督  デニー・テデスコ
■字幕監修 JUNKO ASAHI
■公開日 2026年6月19日
■公開劇場 TOHOシネマズ シャンテ、YEBISU GARDEN CINEMA 他全国順次公開
■上映時間 100分
■提供 Malibu Corporation・Osakana LLC.・WADO WINGX Co.,Ltd
■配給 Santa Barbara Pictures